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最初は16年ほど前に、フルコン空手の俺とボクサーのKIYOの2人で練習し始めたのが始まりだった。
練習場所は自宅近くの池。しかも夜。街灯の下でスパーやミット打ち。不審者確定。
暫くして専門学校の同級生(1歳年上)のN西さんが参加するようになる。
ボクシングをやりたいM月君やリングスオタクのワベちゃん、そして現在も一緒に闘っているKやBABSONも合流。
皆で練習方法を模索しながら、一応今で言うK1ルールでの練習が始まった。
当時この辺りは伝統派空手、日拳、ボクシング、フルコンしか無く、K1ルールでの練習は画期的だった。
この時点での練習場所も夜の公園。若いってのは凄い。
現在は失踪中のN西さんを主力とし、皆でスパーの相手やサポートに専念。
最初は負けがこんでいたN西さんだったが、才能が開花、当たれば倒れるマッハパンチを武器に暴れだす。
アマキック全日本トーナメントミドル級で優勝!アマSB(シュートボクシング)優勝!輝かしい成績をおさめてくれた。
9割以上が有名ジムの練習生、プロ直前の強豪ひしめく中、フリーという立場で優勝したN西さんには頭が下がる。
本当に凄い男だった。晩年は色んな団体からスカウトされてたしね。
02に何故かN西さんが失踪してしまい、音信不通に。
そこから皆の格闘技熱も冷めていき、実質解散という形になった。
元々格闘技好きだったのは俺とKIYO。そのKIYOもやる気をなくして廃人に。
ここから数年間、俺はたった1人で鍛錬を続ける。何を目的に、とかは考えていなかった。
ただ、自分が弱いと思っていたから、黙々と鍛え続けた。これが無かったら皆の今の姿は無い。
07年、M月君がボクシングを教えて欲しいとの事で、自分に接近。
いつぞやは途中でパタッとやめちゃったくせに、どういう風の吹き回しか?まぁ良いか。
以前通っていた名物会長「トニー」がいる、サンドバッグが常設されてるウェイトジム、トニージムに通い出す。
真面目に頑張るM月君につられ、俺も一緒になってサンド打ちを続けていた。
ウェイトもちょっとずつ再開、思ったよりは劣化していなかったのは1人でも鍛錬して来たおかげか。
そして運命の歯車を強引に回す男、RICKYがトレに参加し始めた。
今までポツポツ顔を出していたBABSONやKIYOも少しずつ参加するようになる。
皆、久々のマススパーをやり出すと、闘う事の面白さを思い出す。
そしてウェイトも頑張るRICKYの肉体の変貌ぶりに皆が驚き、自分もそうなりたいとウェイトを開始。
そこからはトニージムの常連、松兄貴やM松君なども格闘技トレに参加。
反面、M月君は得意パターンでパタッと格闘技をやめて、一切来なくなってしまう。
KIYOがトラックの運ちゃんと喧嘩になった際の話がキッカケで、立ち技だけではダメだと判断。
俺、KIYO、RICKY、兄貴で立ち関節やタックルを独自で練習し始める。これが今の前身。
いつしかKやTOMOまでウェイトに顔を出し始める。
RICKYのおかげで、今まで俺が声を上げてもシカトしていた仲間が勢揃いしたのだ。俺って一体・・。
着々と筋力UPする仲間達。スパーはトニージムの2〜3畳のスペースで行っていた。
夜の公園よりはマシだが、足を使えずインファイトのみ。後にこれが響く事になるが・・。
時は変わって08年。遂にあの男が参加する。元々釣りのHPが縁で知り合い、釣り仲間だったJUNさんだ。
彼は柔道黒帯にして柔術経験者のグラップラー。立ち技メインだったトレに黒船襲来。
目から鱗のグラウンド技術を目の当たりにし、全員総合格闘技路線にシフト。
寝技に順応したのはRICKYとK。俺とKIYOはテクニックよりも強引さが目立つパワー型。
伸びるか伸びないか、下手に格闘経験が長いので自分で分かってしまうのが悲しい所。
グラップラーであったJUNさんも打撃を特訓し、非凡なセンスでメキメキ上達する。
全員が総合という革命の波を感じ、同じ船に乗り込んで航海に出た。
あれだけバラバラだった仲間が一丸となったのだ。
しかしウェイトで故障者続出、こちらは記録も伸びずに冬の時代がやって来る。
格闘技の方は順調。定期参加は俺、RICKY、KIYO、K、たまにBABSON、JUNさん。
この歳になるとなかなか集まれないものだが、皆頑張って時間を作った。
そして08年4月に俺がM塾館長のS田さんにM市トレ室でスカウトされる。
再び運命の歯車が大きく回り始める。
まず俺とKがM塾を訪問、そして練習参加。
フランクにも程がある館長と師範代、更に好感度バリバリの若手の人達。
Kと俺はこれだ!と確信、ここから本格的にM塾との交流が始める。
トニージムの狭くて硬いスペースとは違い、人工畳の広々とした練習場所。
これだけで俺やK、KIYOの胸は高鳴った。やっと、まともにタックルや寝技が出来ると・・・。
場所と時間がトニージムの頃と大幅に変わったので、BABSON、RICKYの参加は難しくなる。
俺、K、KIYO毎週欠かさず参加している。強くなりたい、ただそれだけなのだ。
ここにはプロのキックボクサー、元プロボクサー、M塾生え抜きの強豪がいる。
打撃のレベルはローカル団体とは思えないほど。ここで一緒にやってればスキルUPは間違いない。
寝技も教えて欲しいという要望に、Kを寝技コーチに抜擢。
寝技は理詰め、頭で闘えるのはKのみ。寝技技術の習得と資料作り、分かりやすい指導・・。
Kの抜擢は大当たりだった。Kは現在も寝技コーチとして奮闘してくれている。
今はM塾に「教える」という立場での居候。短時間だが内容の濃い練習が出来ている。
RICKYやBABSON、JUNさんも時間がとれた時は参加してくれる。
これからどうなるか分からない。だが今出来る事を一生懸命やっていれば、何かに繋がる。
俺が数年間、1人で鍛え続けていた結果が、今に結びついているように。
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